コラム:デザインとインターネットマーケティング

本能が感じるデザイン

ある脳機能学者の話

「悪魔の正体を教えてあげよう。」とその脳機能学者は言いました。

「人間の脳には恐怖を感じることをプログラミングされた細胞がある、ということがだんだん解明されてきている。ヘビを見て”怖い!”と思うのも、暗闇で物音がしたときに身構えるのも、すべてこの細胞によるものだと。
”本能が恐怖を感じている”と言い換えてもいいかもしれない。」

直感的な恐怖

「この細胞レベルで感じるような”恐怖”を、意図的に操ることで人々に恐怖を与えるような技術を磨いてきた人間が古今を問わず存在する。

例えば、インドの密教に伝わる”マントラ”なんかは、一人の人間が高音と低音、2つの音を同時に出して、それを数人で組み合わせて複雑な音を作り出していく。この音を聞いているだけで、ものすごい恐怖に襲われる。

それは、脳が直感的に感じるような、どうしようもない恐怖だ。」

悪魔と天使

「こういう技術を古代から受け継いで、脈々とその技に磨きをかけてきた人々がいる。その研ぎ澄まされた能力を目の当たりにして、恐怖を感じた人間は、まるで悪魔に出会ったような感覚にとらわれる。つまり、それが悪魔の正体だ。」

反対に、”エンジェル”側の音も存在する、と彼は続けます。

「恐怖とは逆に、人間が無条件で”心地よい”と感じる音というものも存在する。それを体系的に進化させてきたのがクラシック音楽であり、中世音楽からバッハ、ロマン派、オーケストラと、本能が聞いているだけで気持ちいいと判断する音の組み合わせを探し出し、長い間培われてきた。

それが理論として体系化され、現在ではロックにまでそのメソッドが活かされている。」

本能が感じる心地よさ

さて、ここまでの話は”音”、つまり耳から聞こえてくる聴覚的な話でした。しかし、人間が本能で感じる心地よさというのは、視覚的にも存在するはずです。

ゴッホのひまわりを見て多くの人々がなぜでしょう?クリムトの絵の色彩を美しいと感じるのは?

彼らは理論的に、人間が美しいと思う構図や色使いを認識して、あの絵を描いたわけではないと思います。

感覚で理論を越える天才性

彼らは自分自身が美しいと思える線、バランス、色彩をつきとめ、1つの作品を完成させていったのではないでしょうか。そしてそれは、人間が本能的に感じる心地よさ、美しさにほぼ完璧に合致していました。

私が求める視覚的なデザイン(グラフィックデザイン)の究極の姿がここにあります。

人間が一目見ただけで、”心地よい”、”美しい”、”魅力的だ”と感じるデザイン。本能が無条件に反応するビジュアル。それを実現するための線、形、レイアウト、色使いは必ず存在するはずです。

我々が目指すビジュアル

その組み合わせを、妥協せずに追求した先に、多くの人々の心をとらえる作品が生まれます。
クライアントの意向を尊重しながら、多くの人が直感的に「美しい!」と思うようなビジュアルデザインを生み出すこと。

WEBだけに限らず、プリントやユーザーインターフェイスなど、グラフィック(見た目のデザイン)を手がけさせていただく際にはいつも、そんな、”本能が感じる”デザインを生み出そうと試行錯誤しています。

 

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